デグーと暮らすデメリットはある?これからデグーをお迎えする人に知ってほしい6つのこと

デグー飼育のデメリットは?

最近ではペットショップに行けばデグーがいることも多く、デグーグッズもだいぶ増えてきました。しかし私がデグーを飼いはじめたときは、デグーを扱っているペットショップが少なく、デグーに関する情報やデグーグッズもほとんどありませんでした。

近年ではデグーに関する情報はネット上でも入手しやすくなり、専用フードや消耗品の種類も豊富に販売されるようになりました。デグーという動物がペットとしてメジャーになりつつある証拠でもあります。

SNS上でもデグーの可愛い写真や動画が溢れ、それを見た人がデグーに興味を持ち、家族に迎える人が増えてました。Web上の記事では、「飼育しやすい」という記事も見掛けるようになりました。

デメリットと言うと大げさかもしれませんが、デグーと暮らすことは大変なことも多く、けっして簡単とは言えません。今回の記事は、「デグーをこれからお迎する方に知ってほしい」実際の飼育について触れていきます。
(執筆者:hanatorapooh

 

1.デグーはネズミではありません

デグーマウス

デグーの写真や動画を見せると「可愛いネズミですね。」と言われることもあります。デグーマウスと呼ばれることもあり、デグーをまったく知らない方が見たら、外見はネズミにしか見えることもあります。

しかし、デグーはネズミではありません。長く伸びた歯、モフモフした体、長いシッポ、小さな耳。どう見てもネズミに近いのですが、分類上はヤマアラシ亜目となり、モルモットやチンチラ、カピバラの仲間です。そのせいか、まったりしている姿は本当にカピバラそっくりです。

デグーは名前を理解する

デグーはとても賢い動物です。驚くことに、自分の名前を覚えます。繰り返し名前を呼んで接してあげることが大切ですが、そうするうちに「自分を呼んでいる」ということを理解します。

名前を呼ぶと急いでやってくるデグーもいるので、その姿に癒される飼い主も多いでしょう。これがデグーと仲良くなるためにする最初のステップです。

2.社会性(コミュニケーション)の高さ

デグーは野生下において、5~10匹ほどの群れで生活しています。群れで生活していることから、社会性が高くてコミュニケーション能力に優れています。仲間同士で会話をする際、何種類かの鳴き声を使い分けます。

その鳴き声は、小鳥の歌っているような美しいさえずりに聞こえ、そのことから「アンデスの歌うネズミ」と呼ばれています。好奇心が旺盛で感情豊かな性質は、人に対しても発揮され、「ベタ慣れ」といった状態を生み出すこともあります。

デグーは芸を覚える

学習能力の高さは、他のげっ歯類とは比べ物になりません。輪くぐりやお手、体をくるくる回転させてオヤツをねだったりと、飼い主が教えた事を良く理解して覚えます。

しかし、学習能力の高さ故に、嫌な記憶があると決して忘れることはなく、その行いに対して拒否し続けます。芸をムリやり教えようとして、失敗するケースがこれです。こうなってしまうと信頼を取り戻すことは難しいでしょう。そうならないためにも、芸の前に信頼関係を築くことが大切です。

3.単頭飼い?多頭飼い?

デグーの単頭飼いと多頭飼いについて

野生下では群れで生活しているデグーです。飼育環境でも多くのデグーと暮らしている方もいますが、多くは1匹か2匹くらいで飼育されている方が多い印象です。それでは、単頭飼いと多頭飼いのメリット・デメリットにも触れておきます。

デグーの単頭飼い

はじめて飼う場合、単頭飼いを勧められることが多いでしょう。デグーは寂しがり屋な子が多いため、飼い主に「ベタ慣れ」する場合が多いからです。

手の上で寝る子、そばにくっついて離れない子、肩の上に乗ってくつろぐ子。他に仲間がいない単頭飼いの場合、飼い主との信頼関係は深く結ばれることが多いです。
※単頭飼いが必ずしもベタ慣れするわけではありません

デグーと十分に接する時間がない場合、デグーの寂しさは解消されません。飼い主を呼ぶために鳴きつづけるので、この行動に悩まされる飼い主も多くいます。個体差もありますが、あまりかまってあげられない方は、単頭飼いをオススメしません。

デグーの多頭飼い

元々群れで生活するデグーにとって、多頭飼いスタイルが野生下に近い飼育法です。仲間を大切にし、仲睦まじくグルーミングし合う姿はとても可愛らしいものです。単頭飼いでは見られない、重ね合って団子になって眠る習性も見られます。美しい歌声を聞けるのも、多頭飼いならではです。
(参考:野生のデグーはアンデスでどんな暮らしをしているの?

しかし、多頭飼いのデメリットは飼い主に懐きにくいという点です。 個体差はありますが、ベタ慣れは難しいです。多頭飼いする場合は、「ベタ慣れ」しにくいという点を知っておいてください。

小動物であろうとお金は掛かります

小さい動物だから餌もそんなに食べないだろうし、お金もかからないのでは?と思いがちです。しかし、エサ代だけでなく「ケージに敷く床材・止まり木・エサ入れ」なども必要になります。これらの多くは消耗品なので、定期的に買う必要があります。

デグーを飼う前に考えてほしい事は「経済的負担」です。デグーと暮らすまではわかりませんでしたが、意外に出費がかかります。

種類やペットショップにもよりますが、パイドやイエロー(サンド)などのデグーは比較的高めで販売されています。(参考:デグーの値段の相場
また、はじめてデグーを飼う方向けのスターターキット(ケージ一式)は10,000円~20,000円程度の大きな出費があります。

デグーフードに掛かる費用

デグーフードは、一つ800円くらいから3,000円近くのものまであります。「デグーは体内でビタミンCを作り出せない」という説もあるので、ビタミンC配合のデグーフードをオススメします。

このビタミンCについては、以前は「デグーは体内でビタミンCを作り出せない」という説がありましたが、現在では「作れる」という説もあり、獣医によって意見が分かれています。

また、体内で合成するのは苦手で、ある程度の量しか合成できていないという説もあります。一説によると、デグーにモルモットフードが給餌されていた時代に、モルモットがビタミンCを合成できないため、デグーも同じだろうと一括りにされてしまったみたいです。

牧草・チモシーにかかる費用

フードと同じくらいかかせない大切な餌が、チモシーです。安いのものは500円くらいからあり、オーツヘイやバミューダなど、たくさんの種類があります。デグーの好みもあるので、徐々に決めても良いでしょう。

デグーを2匹飼っている私の例で、年間のチモシー(牧草)代を紹介します。我が家は「チモシーゴールドヘイ680g×3個セット」、「バミューダヘイ3kg(500g×6パック) 」を楽天でまとめ買いしています。
※少しでも安くするためのまとめ買いです

商品名商品代年間購入代
チモシーゴールドヘイ680g×3個セット4,468円4,468円×6回=26,808円
バミューダヘイ3kg(500g×6パック)2,690円2,690円×3回=8,070円

このように、チモシー(牧草)代だけで年間34,878円、月々にすると約2,900円の費用ということになります。これはチモシー(牧草)代だけの費用です。前述したとおり床材や砂も必要になるので、最低でも月2,900円以上になります。

デグーの月々に掛かる飼育費用(食費・砂・遊び道具)についてアンケート(以下の図:Twitter)を取ったところ、67%の方が1001~4999円という回答をいただきました。半数以上の方がこの回答だったので、デグーを飼育される方はこの金額を参考にしていただければと思います。

動物飼育で忘れがちな電気代

小さなペットたちのほとんどが、「日本の湿度が高い夏の暑さ・冬の寒さ」が苦手です。エアコンはつけっぱなしになることも多くなり、当然電気代が掛かります。

デグー飼育時における月々の電気代

黒字(上図)となっている箇所をご覧ください。気温が低くなる秋頃から電気代が上がるのがわかります。このように、冬の電気代が20,000円を超える可能性があることも「飼育代」として考えておくべきです。

その他

主食となる食事以外にもお金が掛かることはたくさんあります。えん麦や乾燥野菜などのオヤツ、砂(砂遊び用)やかじり木など、ストレス解消の為のグッズも必要になります。それ以外にもたくさん必要なものがあります。
(参考:デグーをお迎えする前に知っておきたい!デグー飼育のために用意すべき物

これらは必要経費に関する出費となり、病気になったら交通費や診療代も発生し、電気代も必ず増えます。デグーのお迎えを検討したとき、このような出費についても考えておく必要があります。

5.まだまだ少ないエキゾチック専門病院

デグーも大切な家族なので、病気になれば病院に連れて行きます。動物病院はたくさんありますが、どこでも良いわけではありません。小さな体にメスを入れるような場合、高度な知識と技術が必要です。

犬や猫と違い、エキゾチックアニマルであるデグーを診てくれる病院は少ないのが現状です。病気になってから探すのでは遅いので、お迎えする際はデグーを診てもらえる病院を必ず探しておきましょう。

ちなみにエキゾチックアニマルとは、輸入された外国産の動物や珍しい動物のことです。犬猫以外の総称で使われることがあります。十分に飼育法や治療法が確立されていない動物を指したりします。
(参考:今人気のエキゾチックアニマルとは?特徴や飼い方を紹介します!

ペットショップからお迎えする場合、店員さんに「デグーを診てくれる動物病院を」聞くのが一番です。いくつか候補を聞いておくと良いでしょう。ネットでも調べることができますが、電話で確認しておくのも大事な事です。

どんなに有名な病院でも、長い移動時間は極度のストレスがかかります。まずは住んでいる近くで診てもらえるのがベターです。デグーの病院選びについては、以下の記事で詳細をご覧ください。
(参考:デグーの動物病院選び5つのポイント!かかりつけは2軒あると安心

6.デグーの習性を理解し、個性を尊重することが大切

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SNSにアップされている可愛い写真を見て、デグーを飼いたいと思う方はたくさんいる思います。ベタ慣れしている姿、デグー団子になってリラックスしている姿、こういった光景を見たら「これらの仕草が当たり前」と思ってしまうかもしれません。

しかし、必ずしもそうではありません。臆病な子でまったく懐いてくれない子、触ってほしくない子。本当にさまざまなデグーがいます。デグーをお迎えする前に、こういった子たちであっても一緒に暮らしていけるかどうか、もう一度考えてみてください。

私もムリに懐かせようとして、指をざっくり噛まれた経験があります。懐かない事を悩んだ時期もありました。でも、本当に懐いていないのか?そうではりませんでした。

名前を呼んだら近づいてきて、クリクリした瞳を見た時、はじめて自分のエゴに気が付いたのです。懐かないと嘆くのではなく、デグーにもさまざまな個性を持った子がいるので、その個性を尊重して接するべきでないかと思います。

デグーの明るい未来のために

数年前とは比べ物にならないくらいデグーの知名度は上がりました。テレビや雑誌で特集されるのを見るたびに、それを実感しています。
しかし、まだまだ知名度は低く、いつまでたっても「ただのネズミ」です。

それでもデグーをはじめて飼う方が、その魅力にどんどんハマっていく。そして、SNSに写真をアップして、またそれを見た誰かをデグーの虜にしていく。こういったことが「ただのネズミ」「デグー」という認識に繋がっていくのではと思います。

ただ、そこには「デグーと暮らすことの大変さ」が欠けています。本ブログではそういったことも発信し、デグーと飼い主の明るい未来に繋がっていけばと考えています。