デグーにはどんな餌・食事を与えればいいのでしょうか?デグーが口にする食べ物は、健康を維持する上で非常に大切なことです。飼い主はデグーのご飯をしっかり管理してあげる必要があります。
デグーにとってよくないものを食べさせてしまうと、「体調不良・病気の原因」となってしまう危険性があります。デグーを飼っている方も、これからデグーを飼おうと思っている方も、デグーの食事(食べていいもの・食べてはいけないもの)について知っておきましょう。
デグーは草食動物です
デグーは「完全草食動物」です。生息地であるアンデス山脈では、過酷な自然環境のなかで草・葉・樹皮などを食べています。同じげっ歯類であるネズミ類と姿形が似ていますが、デグーは「テンジクネズミ目」に属するのでチンチラやカピバラに近い動物です。
ちなみにネズミは「ネズミ亜目」で果実の他、昆虫や腐乱した肉なども食べる雑食性です。デグーマウスと呼ばれることがありますが、ネズミとは大きな違いがあります。
デグーに甘いものは禁物
草食動物なら「リンゴやみかん、またはドライフルーツを食べさせてもいいのかな?」と思ってしまうかもしれませんが、与えるのは禁物です。デグーは糖分の代謝が低い動物です。
過酷な環境で過ごしてきたため、フルーツなどを食べる機会がほとんどなかったからです。喜んで食べるからとずっと与えていると、糖分の代謝が低いデグーは糖尿病になってしまいます。」
デグーの食事。食べていいものは?
草食動物であるデグーの主食は「牧草」です。牧草にもいろいろなものがありますが、イネ科であるチモシーがいいでしょう。牧草の刈り時が年に3回あるので、「1番刈り」「2番刈り」「3番刈り」が販売されています。それぞれ噛み応えや固さが異なるので、デグーの年齢や好みで選んでください。
牧草の特徴
- 11番刈り:固くて繊維質が豊富。噛み応えがあり大人のデグーに。
- 22番刈り:やや柔らかめ。子供のデグーも食べられる。
- 33番刈り:柔らかめ。子供のデグーにぴったり。床の敷材としても使える。
マメ科の乾燥アルファルファもありますが、高たんぱく高カルシウムで、カロリーが高いので、成長期のデグーや出産前後のメスに与えるなど一時的にします。アルファルファをずっと与え続けると、肥満になり膀胱結石の発生が増える危険性があります。
牧草はどのくらい食べさせればいい?
チモシーなどイネ科の牧草は、いつでも好きな時に食べられるようにケージのなかに入れておきます。なくなったら補充してあげましょう。床敷きに置いた3番刈りの牧草も食べることがあります。毎日牧草の状態をチェックして、尿などで汚れた牧草は廃棄します。
また、時間が経ってしまったものも廃棄して新しくしてあげましょう。我が家では1日食べなかったものは、すべて新しいものに交換しています。牧草をまとめ買いでたくさん購入した場合は、湿気ないように注意して保存してください。時期によっては虫が発生することもあります。
(参考:デグーフードに虫!?放置すると怖い害虫のお話)
デグーにおやつは必要?
デグーとのコミュニケーションをとるためにも、おやつがあるといいですよね。
しかし、さきほど説明したとおり甘いものは与えないようにします。ひまわりの種もデグーは喜んで食べますが、高脂肪食品なので与えすぎには要注意です。
副食であるペレットを、おやつとして利用する方法があります。その時は食事として与えるペレットの量を調節してください。その他、ペットフードやおやつとして、大麦や、乾燥野菜もいいかもしれません。乾燥野菜は味付けなどをしていない「野菜をそのまま乾燥したもの」をオススメします。
ペレットはデグー用フードが販売されていますが、こちらは副食として時々与える程度にします。パッケージに書かれている量を守って、与えすぎないようにしましょう。
生野菜は食べて大丈夫?
キャベツなどの生野菜を食べてもOKですが、デグーはあまり水分を摂らない動物です。野菜の水分で下痢をしてしまうことがあります。たくさん与えることはやめましょう。
与えてもよい野菜
- 小松菜
- キャベツ
- ブロッコリーの葉
- ニンジンの葉
- チンゲン菜
- 水菜
上記の生野菜は食べてもOKとされていますが、ニンジンは糖質が多いので、与えるとしても少量に抑えておいてください 。与えすぎかどうかは便の状態を確認してください。野菜は水分が多いため、尿が増えたり軟便になってしまうことがあります。
そのような状態になったら与え過ぎということになります。量を調整してあげてください。野菜については、少量に抑えておくか与えないことをオススメします。野菜の中には食べさせてはいけない野菜もあるので注意してください。それらについては後述します。
(参考:はじめてのデグーの育て方)
デグーに食べさせてはいけないものはある?
デグーが食べてはいけないものは、甘いもの以外にもいくつかあります。デグーにとって毒性のある野菜類は、うっかりフードに混ぜたり、ご褒美にしたりしないように注意してください。
食べてはいけない野菜
- 玉ねぎやニラなどのネギ類
- ジャガイモの皮や芽
- アボカド
- 果物はほんの少しなら・・・と与えることもあるようですが、糖分があるためオススメしません。
人間のおやつもNGです
人間のおやつも絶対に与えてはいけません。たとえば、チョコレート、クッキーやおせんべい、ケーキなどです。食べるかどうか試してみよう、と与えるのも禁物です。
糖分はもちろん、塩分や脂肪分の過剰摂取となり、体調不良や病気の大きな原因となります。100%の野菜ジュースやフルーツジュースも、下痢の原因や糖分の摂りすぎになってしまいます。
他の動物のフードは代用できる?
代用するとしたらチンチラのフードです。ハムスターやラットのフードには、ドライフルーツや種子が豊富に入っていて、カロリー過多になってしまうので代用できません。もちろんドッグフードやキャットフードなど雑食性の餌を与えるのも禁物です。
牛乳は飲ませて大丈夫?
牛乳もデグーには与えません。下痢をしてしまいます。デグーの赤ちゃんの人工保育ではヤギのミルクを飲ませますが、人工保育の際は獣医さんの指導の元で与えましょう。
デグーの食生活は飼い主の責任
ペットとして飼われているデグーは、自分で餌を選ぶことができません。すべては飼い主にゆだねられています。「デグーが喜ぶし、ほんの少しだからいいだろう」と甘いドライフルーツやお菓子などを与えていると、糖の代謝能力が乏しいデグーは糖尿病になってしまいます。病気にさせてしまうのは、デグーはもちろん飼い主にとってもとてもツライことですよね。
人間にとっては「ほんの少し」でも、体重が200g程度しかないデグーにとっては、「たくさん」であることも頭に入れておきましょう。 大切なデグーの健康を守るためにも、デグーの食生活をしっかり管理してあげてください。